京都外国語専門学校東南アジア言語学科ベトナム語専攻専任講師・鈴木康央 東南アジア言語学科ベトナム語専攻講師 鈴木 康央
1991 年大阪外国語大学タイ・ベトナム語学科卒業。
1991 年〜 92 年ハノイ総合大学留学。
1994 年大阪外国語大学修士課程修了。 日本語教師を経て現職。
著書/『ベトナム事典』(共著・同朋舎 1999 年)の伝統音楽、演劇の項目。
『現代ベトナムを知るための60章』(共著・明石書店 2004 年)の音楽の項。伝統楽器『ダンバウ』の数少ない日本人演奏者の一人。
CD/『ダンバウ』( CAM 1993年)
鈴木康央先生が贈るベトナム語ワンポイントレッスン(中級編)
語気詞
正書法を持ついずれの言語においても同様のことがいえるが、書き言葉と話し言葉にはズレがあり、ベトナム語も程度の差こそあれその例外ではない。
話し言葉で多用される語気詞とも呼ばれる文末詞は、日本語の終助詞の一部が果たしている役目を担っていると言ってもよいものではあるが、多種多様であり、これの習得なくしては情感あるベトナム語にはなりにくい。
あえて言うならニュース原稿で日常会話をするような、味気ない発話にしかならない。それは逆に言えば、書き言葉では語気詞があまり使用されないということでもある。

虚詞
また数多ある虚詞(文法機能語)にも書き言葉では多用されるが話し言葉にはあまり用いられないといったものがある。
初学レベルを脱した学習者には、そのような書き言葉と話し言葉の違いを形作る語毎の用法をより厳密に習得し、また応用できるようになることが求められる。
そのためこの段階では会話訓練によって話し言葉の運用能力を向上させることのみに終始するのではなく、段階的に時事文や文学作品、エッセイなど様々なタイプの文章を実際に読むことで語毎の用法やニュアンスを体感、記憶し、応用できるようになることを目標とされたい。

単語量を如何に増やすかが重要
孤立語であるベトナム語を習得するにあたって最も重要な点は、虚詞を含めた単語の記憶量を如何に増やすか、というところであると言っても過言ではない。そしてそれら単語の文中での位置、あるいは文法的役割を的確に分析/運用できることが肝要でもある。その2点を念頭に置き、学習にあたられたい。


ベトナム語専攻・鈴木康央先生にメールを送る