2008年01月17日 (ベトナム編)ヘルメット着用義務化!

 経済が発展し、生活レベルの向上に伴い、ベトナムではバイク利用者が増えています。特に都市部ではバイクなのにひどい渋滞が起きるほどのレベルになっています。

 そのような中、これまではヘルメットの着用が任意だったところを、2007年12月15日から全面義務化されました。違反すれば15万ドン(約1,100円、都市部での一般的な昼食数食分以上の額)を納付しなければなりません。

 元々自転車が主流だったところにバイクが増えてきた経緯から、都市中心部ではさほどスピードを出さずに運転するということもあり、国道など広くて大型トラックなども比較的早く走る道だけでの義務化は少し前からなされていましたが、今回の法改正で全面義務と言うことになり、国民の間でも賛否両論侃々諤々といった趣でした。

 やはり高温多湿の国柄ということもあってか、頭が暑く蒸れるのはつらいといったことや、ヘアスタイルが乱れるなどと言った、ヘルメット着用の主旨からはずれたような論調も見られました。これはやはりスピードが遅いために、転倒事故やバイク同士の接触事故でも深刻な事態になることはないだろうという、若干根拠の薄い推論から出たものと思われますが、実際にはバイク事故による死者・重傷者の数は年々増しており、その事態をおもく見た当局による合理的判断と言えるものではあります。

 しかしこのヘルメット着用義務化に便乗してヘルメットの販売価格の大幅な値上げをした業者があったり、安全基準を満たしていないヘルメットが多数流通するなどの問題もあり、安全管理意識や、商業倫理意識など、今後も注視すべき消極的側面があることもベトナムの実情として知っておかなければならないでしょう(しかもこのことは産地偽装や消費期限偽装をやってのけたこの国の人間には笑えない現象です)。

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