2014年09月19日 (ベトナム編)ベトナムポップス

アジア圏のポップスといえば韓流ポップス、華流ポップス(台湾/香港/中国)がメインかと思いますが、とうとうベトナムからディーバが降臨です。その名はMy Linh(ミー・リン)。実力派の歌手がひしめくベトナムポップス界にあって、人気、実力ともにトップクラスの地位を維持し続けてきた彼女のディスクが、日本のレコード会社(販売元:ポニーキャニオン、発売元:エムアンドアイカンパニー)からリリースされています。

ベトナム国内での出版順に1枚ずつ簡単に紹介しましょう。

・メイド・イン・ベトナム(Made in Viet Nam 2003)


全11曲+ボーナストラック
1. あなたの夢を見て (Em Mo Ve Anh)
2. 恋の目覚め (Tinh Yeu Thuc Day)
3. 夜の小道で (Tro Lai Tuoi Tho)
4. 15才の私 (Co Thay Toi Tuoi 15)
5. 夏−雨の日のオブジェ (Quan Ca Phe Mua He)
6. 待つわ (Cho Doi)
7. 道 (Hat Theo Nguoi Di Tren Pho)
8. ツバメ (Roi Anh Lai Den)
9. 悲しい時間 (Va Toi Van Hat)
10. 歌声 (Hat Cho Anh)
11. 白いアオザイ (Buom Trang)
12. 玉蘭の香り(Huong Ngoc Lan: ボーナストラック、1997年リリースのアルバムToc Nganに収録)
全体にしっとりとした質感に仕上がった作品。このアルバムを引っさげてアメリカ進出も狙っていたといわれます。ボーナストラックに収録の玉蘭の香りは、筆者がミーリンに魅了されるきっかけになった曲です。この曲のプロモーションビデオは、淡い恋心を題材に、若い二人の繊細な心理描写を印象的な映像で見せてくれます(ご覧になりたい方は見学会予約のときにお申し出下さい)。


・チャット・ウィズ・モーツァルト(Chat Voi Mozart 2005)


1. チャット・ウィズ・モーツァルト(イントロ)(Chat Voi Mozart (intro) )
2. アヴェ・マリア (Ave Maria)
3. 愛の挨拶 (Gio Va La Cay)
4. 別れの日 (Ngay Xa Anh)
5. 冬 (Mua Dong)
6. 夢見る日々 (Nhung Ngay Mong Mo)
7. ある春の朝 ( Som Nay Mua Xuan)
8. 白鳥の群れ (Ve Day Thien Nga)
9. 6月の舟歌 (Thang 6)
10. カラー・オブ・ザ・ムーン(ボーナストラック feat.平原綾香 ミー・リン サンディー・ラム 松任谷由実)
クラシック作品にベトナム語の詞をのせて歌い上げ、曲とことばの両方の魅力を引き出すことに成功しているといっても過言ではない作品に仕上がっています。ほとんどの曲が日本ではよく知られた作品なのですが、クラシックが一般に浸透しているとはいいがたいベトナムでは評価が二分された感がありました。


・愛を歌う(De Tinh Yeu Hat 2006)


1. あの時の歌 (De Mai Duoc Gan Anh)
2. はじめてのバレンタインデー (Valentin)
3. 夢に酔いしれて (Nhung Giac Mo Dai)
4. あなたのいない日々 (De Tinh Yeu Hat)
5. 天国 (Thien Duong, duet with Ho Hoai Anh)
6. わかっているの (Biet)
7. 目覚め (Thuc Giac)
8. 日曜日の朝 (Sang Chu Nhat Diu Dang)
9. ラブストーリー〜いつまでもあなたを (Love Story (Cau Chuyen Tinh Yeu) )
10. 夢見る少女 (Voi Anh)
彼女の圧倒的な表現力、声量を堪能できます。前作とは打って変わり、今作品では再び彼女らしさが前面に出た作品に仕上がっていると思います。力強さという点では、これまでのどのアルバムよりもパワフル。声に深みが増し、ますます魅力的になっています。5曲目では男性歌手とデュエットしています。

ミー・リンの略歴
1975年8月19日ハノイ生まれ
1993年ハノイ音楽院声楽科入学
1997年同 卒業
音楽院入学以前にも学生コンクールなどで入賞している。
ハノイ音楽院在学中にはThi Tham Mua Xuan(春の囁き)でプロ歌手デビューしており、1996年発表のChi Toi(私の姉)、Tren Dinh Phu Van(浮雲の頂)で成功をおさめている。

メイド・イン・ベトナムに収録のボーナストラック玉蘭の香り(Huong Ngoc Lan)のライブ映像をご覧ください。すばらしい歌唱力に驚かれることでしょう。




* 以前、豊穣なるベトナムポップスというタイトルでベトナムポップスについて歴史的な側面などを含めてお伝えしました。そちらもご参照下さい。

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