2006年09月02日 (ベトナム編)ベトナム建国61周年

 9月2日はベトナムの独立・建国の記念日です。今から61年前の1945年9月2日、ベトナムの首都ハノイにあるバーディン広場で、故ホーチミン主席がベトナム民主共和国独立宣言を読み上げました。アメリカの独立宣言やフランスの人権宣言を下敷きにした、豊かな内容を持ちながらも誰にでもわかる平易な表現は、やはり現代ベトナム語の名文のひとつといってもいいのでしょう。

 当時のベトナムはフランスの植民地(仏領インドシナの一部)であり、同時に日本軍政の統治下にあり、大変な困窮を強いられていました。それ故、この独立宣言の中には、1944年から1945年にかけてクアン・チから北部にかけて200万人以上もの餓死者を出したこと(Kết quả là cuối năm ngoái sang đầu năm nay, từ Quảng Trị đến Bắc Kỳ, hơn hai triệu đồng bào ta bị chết đói.)や、実質的に日本による支配が優勢であったことから、フランスからではなく、むしろ日本から国を取り戻した(Sự thật là dân ta lấy lại nước Việt Nam từ tay Nhật, chứ không phải từ tay Pháp.)との表現が見られます。

 この独立宣言はフランスに認められず第一次インドシナ戦争を経て1975年まで続く国土分断と泥沼の戦争へと引きずり込まれてしまうわけですが、独立後61年経った今日では、戦争の当事者であった旧宗主国フランス、旧南ベトナム政権を支援したアメリカ、そして日本とも比較的良好な外交関係を取り結び、全方位外交をすすめ、WTOへの早期加盟を目指すなど、ベトナムは今ホットな国なのです。



 ちなみに9月はベトナムでは新学期の始まる月でもあります。新調した白いアオザイをなびかせながら自転車をこぐ女子高校生の姿も、平和であればこそ、というところでしょう。

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